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昼下がりの平和
昼下がりの電車、
向かいの座席に
座ったねえちゃん
長めの髪がサラサラしてる、すっきりきれいな
顔立ちしてる
スカートが、ちょいと短め、ほそくてきれいな脚してる
なかなかイカス女だと
ちょっとばかり
眺めていると
女もこっちを、 ちらっと見つめた
一瞬、間が空き
おもむろに、女は
長い脚を組み
パンツが見えないように しっかりブロック
べつに・・・・・・
パンツを
見ていたわけでは ないけれど、
べつに・・・・・・
パンツが 見えてたわけでは ないけれど、
私の心は、
少し
残念。
気を取り直して、
「イスラム社会の現状と世界平和」
という本を読み始めた。
電車は、
ぽかぽか あったかく、
がたん、がたんと
心安らぐ リズムを刻む。
いつのまにやら うとうと していた。
ハッ、として我にかえると
向かいの女も、
こっくり、こっくり
いねむりしてる。
しっかり組んでた
二本の脚が、
だんだん、ゆるまり
ほぐれていった。
私は、
イスラム社会の現状を しっかり理解しようと 努めつつ
世界の平和について
考えようとするのだ
けれど
心の平和が
乱れはじめた。
もう すこし、
もう すこし、
もうすこしで、
組んでる脚が
はずれそう。
あと、
すこし。
私は
彼女に念力をかけた。
脚よ、
・・・・・・・・・
ひらけ
・・・・・・・・・
あと、
わずか
・・・・・・・・・
と
思ったところで、
駅にとまって、
でかいおやじが
のりこんで
彼女の前で、立ち止まる。
その時
ねえちゃんの
ふたつの膝が、
左右に
大きく
広がった
決定的瞬間
けれども
おやじに隠れて
彼女のあそこが、
よく見えない。
私は 怒りを押さえて
心の中で 大きく叫ぶ。
おやじ
じゃまだ そこをどけ
いくら
心の中で 叫んでも、
おやじは 微動だにしない。
私は、おやじにも
念力をかけた。
おやじ
どけ
おやじ
どけ
おやじは、全然、動かない
そうこうするうち
ねえちゃんが、 目覚めてしまったでは ないか
私は、あきらめ
気を取り直し
「イスラム社会の現状と世界平和」を読み始めた。
とても 平和な 昼下がり
とても 平和な 午後の電車
とても 平和な わたし
こんなことで いいのか
しかし
一日は
こうして平和に ながれてしまって ゆくものなのだ
と、
私は ぼんやり 思うのでした
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